見つめていたい (The Police)
その曲を聴くと当時の思い出が蘇るという「思い出の曲」というのは人それぞれ、必ずあるでしょうが、
ポリスの「見つめていたい(Every breath you take)」は恐らく死ぬまで常に自分の身体の中で流れ続けている曲と思う。
この曲を初めて聴いたのは中学生の時。
その時はポリスもスティングもよく知らなかったが、とにかくビデオクリップがめちゃくちゃカッコよくて、当時オンエアされていたMTVやベストヒットUSAなんかで録画したビデオテープとFMからエアチェックしたカセットテープをシワシワになるまで聴きまくった。
大学に入った際、音楽系のクラブに入ってウッドベースを弾き始めたのも、このビデオのスティングに憧れて勧誘に負けたため。結局あまりモノには出来なかったが、この時知り合った友人はそれ以降に知り合った人間とは別格の特別な友人だ。
一昨年の結婚披露宴の時、よく有りがちな新郎の生い立ちビデオは、自分にとって特別なこの曲をバックにFLASHムービーを夜なべして製作した。
妻の父はこの時「見つめていたい」に心打たれたらしく、「あれいい曲だよな〜」と言うので、クルマで聞けるようにCD−Rに入れてあげたり、ケータイの着うたに登録してあげたりして、「あれだけ聴いてよく飽きないね」と思うほど、自分以上に気に入っていた。なんでもこの曲を聴くと気持ちが「スー」っとするらしい。
義父は今年の1月から闘病生活が始まっても、この曲を聴いていた。
施す治療が無くなり、痛みに苦しんでいる際にも、少しでも「スー」っとするようにと家族はこの曲を聴かせてあげていた。
そして告別式の日、この曲が繰り返し流れる義父の愛車に遺影を乗せて火葬場へ向かった。
改めてこの曲の歌詞を和訳してみる。
「you」はスティングにとって女性に宛てたものだろうが、自分なりの解釈が出来るのも洋楽のいいところかもしれない。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
呼吸のひとつひとつ
動作のひとつひとつ
壊してきたきずな
踏み出した足もと
僕はあなたのすべてを見つめている
どんな いかなる日も
あなたが何か言うたびに
あなたが戯れるたびに
あなたが過ごす夜を
僕は見つめている
わかっていないんだね
あなたは僕だけのものなのに
可哀想な僕の心は
あなたが去りゆくたびに痛む
あなたの動作のひとつひとつ
誓いを破るのを
笑顔を取り繕うのを
権利を訴えるのを
僕は見つめている
あなたが立ち去ってからというもの
僕は行き先をなくして彷徨っている
真夜中 夢に見るのはあなたのこと
せめて顔を見れたら と
辺りを見回しても
代わりになる人がいない
頼むよ 泣いてばかりいるんだ
あなたの動作のひとつひとつ
誓いを破るのを
笑顔を取り繕うのを
権利を訴えるのを
僕は見つめている